欧州旅行記5・・・カメラ関係           
欧州で遭遇したカメラ関連のまとめページです。

1.ケルンの大聖堂そばの中古カメラ屋

 欧州で見た中で最も驚いたものは旅行記4で書いたナポリの地下鉄ですが、二番目はこのケルンの大聖堂そばのカメラ屋です。
敷地内の最上段、大聖堂の壁面に接して、なんと中古カメラ屋があったのです(右側画像をクリックすると下の方に見えます)。しかも看板には大きく「NIKON」の文字が(^_^;)。

いいのかしらん。日本で言えば、法隆寺の敷地内、金堂に接してライカの専門店があるようなもんでは? ほとんど想像できませんが。
ほんとに目を疑いました。しかもケルン駅から行くと正面に見えるのです。一体どういう権利関係でこういうことになったのか。きっと背後には数百年に渡る歴史的な経緯があるのでしょう(多分)。

 一応軽度のカメラマニアとして、中をざっと拝見しときました。ここにかぎらず、ヨーロッパのカメラ店は日本人(私の場合ですが)が入ると、店主がなんとなく緊張した雰囲気になります(気のせいかも)。そして、やたらにニコン製品が人気があって高値です(相場は、新品中古ともに日本の大体2倍ぐらい)。ここもメインはニコンで、中でも最も麗々しく置いてあったのは、60年代に作られたニコンの一眼レフの初代のFの、モータードライブ(F36)付きで(映画「マディソン郡の橋」で使われたタイプですね)、日本円にして約20万でした。この値段は当時の日本の相場と比べてもそう高くなく、当時F36を持っていなかった私はちょっと気を引かれました。F36付きFは、まあニコンユーザの一つのステイタスシンボルですし。しかも、ボディー、モーターともにほぼ全体が金属で出来ているため、シャッターを押すとカシャーンカシャーンと乾いた音が出て気持ちが良いのです(このときはやめましたが、その後2台購入)。

 外国で日本のものが尊重されるのはうれしいですが、こういう「聖域」にあるのはどうなのか、ドイツ人は気にならないのでしょうか。



2.ルーブル美術館にて

 ヨーロッパでは、写真撮影のできる教会や美術館が多く、ノートルダム寺院やルーブル美術館、ベルサイユ宮殿もそうでした。

 ルーブルで、あの巨大な絵、「カナの婚礼」を見ていたとき、広い廊下の向こうから、家族の一団が私の方に向かって一直線にやってくるのが目にとまりました。父親らしき人の胸には、私のカメラと同型のニコンの一眼レフが下がっています。

 あれっと思ってみてたら、私にそのカメラを差し出し、動かないから見てくれ、といったことをいうのです。中南米系の人のようでした。
 見ると、ライトは点いていたので、ああ操作方法が分からなくなったんだなと思い、これはねえ、みたいな感じで動かそうとするのですが、さっぱり反応しません(^_^;)。このカメラは手になじんでいてよく知ってましたから、あれー何で動かないの、と焦ってしまいました。あちこち、ボタンやスイッチを動かしても反応しないのです。で、ふとひらめいて、相手からコインを借りて下側のねじを緩め電池ボックスを取り出し、それに私のカメラのボックスを入れたら、勢いよく動き始めました。巻き戻しの途中で電池が弱くなってフリーズしてしまっていたのです。

 巻き戻し終わって電池ボックスを元に戻すと、その家族はそそくさと礼を言い、来たときと同様えらい速さで遠ざかりどこかへ消えていきました。そして、気がついたら私の手のひらに、返す当ての無くなったコインが残っていた、というわけです。解決してあげたのはいいのですが、借りたものを返せない状況になって、ちょっと嫌な気持ちに(お金だし)。もう永久に返せませんからね。

 またこのときの私のカメラはその後盗まれます(^_^;)。酔っぱらってるときで、自己責任ですね。



 ちなみに、欧州で観光客が一眼レフをもっているのは、私が見た限り、非常にレアなケースでした。回数は一桁で、半数ぐらいは日本人だったような気がします。中で、初代ニコンFを2回見かけました。どちらも露出計の付いていないアイレベルファインダーのタイプで、面白いことに、どちらも若い女性が使っていました。片方は日本人で、露出のことなど全く気にする風もなく、パシャパシャ撮っていて、何というか、アッパレというのか。団体のメンバーの写真を撮っていましたが、Fなんて、デイト機能を始め何の機能もついていませんし、レンズ交換もしてない風でしたから、コンパクトタイプでも良さそうなのに、思い入れでもあったのでしょうかねえ(映画「欲望」でも使われていましたが、そういったものの影響でしょうか)。



3.パリ、ミュンヘンの中古カメラ店

 パリで市内の観光バスツアーをしてるときに、大通りに面したところに1軒見つけていました。で、その後カメラを盗難、そこに買いに行くはめに(笑)。とにかくまともに買ったんでは、高くて馬鹿馬鹿しいですから。レンズは2本持っていってたのが、1本はカメラとともになくなり、もう1本は無事だったので、それが付くカメラということでやはりニコンの一眼レフシリーズで一番安いものを購入。

 そこは各種のタイプを取りそろえ、きちんと並べた明るい雰囲気の店で、東京で言えば中野のフジヤのような感じです。買うときに、盗まれてしまって、みたいなことを言ったのですが、店主はむすっとした表情で何の反応も見せずに聞いていました。まあ、関係ないですしね。パリの印象が悪くなったと気にしていたのかもしれません。でも、私のカメラはきっとその店辺りに結構な値段で売られて行くんでしょうけど。
 欧州に行くときは、日本のカメラを保険代わりに持っていくのも良いかも。日本より高値で買って貰えるかもしれません。



 ミュンヘンの駅の周辺には、中古カメラ店が何軒もありました。どの店も骨董品屋のように、雑然と色んなボディーやレンズ、付属品がケースの中でひしめき合い、プライスカードはどこに入り込んでるのか分からないような、昔風の中古屋でした。新宿にそれっぽいところがあります。はっきりとは覚えてないのですが、メインは日本製品だったような気がします。私は、ドイツものがいくらかは安く買えるかと思って行ったのですが、あまり大したことは無かったような。


 
 日本とドイツは不思議な関係ですね。車とカメラは、日本じゃドイツのものを有り難がり、ドイツじゃ日本製品の評価が高い。嗜好の方向性だけじゃなく、国民性もなんとはなしに似ています。人間同士の「距離」が、欧州では日本に一番近いと感じました。フランスは妙に遠く、イタリアは近すぎる。フランスのkioskでは、ちょっとした買い物をするのに、いちいち「ボンジュール」とか言って(頭をちょっと傾けながら)、お互いの人間関係を確立させないと先へ進めません(みんながそうしてたんで、自分もしました(^_^;))。警戒心が強いんですね。イタリアじゃ、お客さんへの配慮という意識がないし。私から見て、ドイツの対応が最もなじみやすいものに感じられました。ある程度の信頼感を持って接してきて、余計な手続きを省いてくるような点です。
 
 ミュンヘンの王宮博物館に飾ってあるものも(左右の写真)、非常に細かな手の込んだものが多く、真摯さがにじみ出てくるような印象で、華麗さとか美しさよりは、日本人にも共通したもの作りへの熱意といったものに感銘を受けました。動物の世界で、オオカミとフクロオオカミ、虎と剣歯虎(サーベルタイガー)のように、出自が全く異なるにもかかわらず、似たような外見、行動様式を取る例がありますが、日本人とドイツ人もそういう例ではないでしょうか。





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