最も美しい曲線〜伊豆の長八の鏝絵
                                 
(h23/11/20,11/26更新)
                                    (追記)吉祥寺美術館での「伊豆長八展」(2015年9月、10月) 

漆喰の壁を塗る鏝(こて)を使って絵を描き彩色した鏝絵の職人、伊豆の長八の記念館と美術館に行ってきました。といっても数年前の事ですが。改めて、飛天の図には感動しました。




「伊豆長八作品集(下)」(松崎町振興公社刊)より、弘化3年「飛天の図」。伊豆の長八記念館(浄感寺)

これ以上に美しい曲線があるのだろうか。

☆伊豆の長八(入江長八)につい・・・江戸末期から明治の人。漆喰職人だったが、狩野派の絵の手ほどきも受けて、各種の鏝を使い、鏝絵を描いた。が、主に江戸の屋敷の為に描いたため、多くは戦火で消失した。作品は各地に僅かに残るだけ。伊豆松崎町には、伊豆の長八の記念館と美術館がある。鏝絵以外にも彫刻、塑像、皿絵などの作品がある。

☆伊豆の長八美術館・・・西伊豆の松崎町。伊豆箱根鉄道修善寺駅からバス1時間40分。伊豆電鉄下田駅からバス50分
(以下の写真は、数年前にフィルムカメラでストロボ無しで撮ったもの。画像が傾いたり、人の影がガラスケースに映ってる場合があります。美術館は撮影可)


外観と内部














右は鏝。これより小さいものもあった。筆ではなくこういった道具であれほど細かく微妙な描写をしたことに感嘆









作品

富士山・・・微妙な色合いの変化が素晴らしい。











明治10年「富嶽」                                 慶応2年「美保の松原より富士眺望」












年代不明「富岳」                    

人物











明治17年「百福神」                                明治8年「森家の家族」












明治13年「焙烙の静御前」                           明治9年「近江のお兼」

風景、動物など











明治7年「二見浦」                               明治9年「相生の松」












 (説明は無かったが、いわゆる黄鶴楼の図だろう)            明治13年「躍動」












明治20年の仏画の絵馬




                     
                                                     明治10年「素戔嗚尊」掛け軸


☆伊豆の長八記念館・・・美術館から歩いて数分、浄感寺内部にある(浄土真宗西本願寺派)
ここには、上記「飛天の図」と、「雲竜」という二大傑作があるが、撮影は許可されていないので、やむを得ず、伊豆長八作品集上から取る事にする。浄感寺天井にある。


弘化3年「雲竜」

浄感寺の建物













☆近辺の風景など











右側の塀がいわゆる「なまこ壁」                          墓所














☆気になった事

記念館も美術館も共に海に比較的近く、また近くを川が流れている。東北大震災のような津波が襲ったら、長八の作品はほどんど全て消失してしまうだろう。その対策はなされているのだろうか。

(h23/11/27)

(h27/10/11追記)
H27年9月〜10月にかけて吉祥寺美術館で行われた、伊豆の長八展に行って来ました。→ ブログのページ